千年先の仕事

千年先の仕事

「1,000年先」を想う仕事

 私は職業柄とは関係なく、ただ単に大好きで、奈良によく出かけます。

 特に2010年には、「平城遷都1,300年」のイベントで、通常は非公開のものが本年限りで公開・展示されていることもあって、例年よりも頻繁に出かけました。

 この「1,300年祭」に合わさるように、寺院等のちょっとした再建ブームが起きました。金堂や西塔を再建した薬師寺はもとより、平城宮に朱雀門や大極殿が再建されました。

 また、興福寺の中金堂も8年の歳月をかけて再建中ですし、1,200年以上前の建造物である薬師寺の東塔も、今回完全修復に入ります。間もなく解体され何年後かに、その素晴らしい姿が復活する予定です。

 もしかしたら、東大寺の七重の塔も再建されるかもしれません。再建されれば、その高さは96mにもなるそうです。

 平城宮に再建された朱雀門と大極殿は、その柱のために、吉野の山に育てられていた、吉野の林業の最後の宝ともいえる300年級の桧(ヒノキ)の巨木を、ほぼ使い尽くしたそうです。(ちなみに興福寺の中金堂は欅(ケヤキ)を使っているそうです。)

 この柱は、例えば丸い柱は、現在の機械で削れば簡単にきれいに仕上がるのですが、丸く見える柱は機械でなく、宮大工の匠たちの手によって、古代の木を削る道具の槍鉋(やりがんな)を使用し、手で削っています。

 実際に触ってみればわかりますが、丸ではなく敢えて言えば、多面体になっていて、ほんの少しごつごつしています。実は、この方が木にとって長持ちするには良いというようなことを聞いた覚えがあります。

 この再建は、何と1,000年以上も前の技術や、工法をもって行われています。

 再建された寺院等を前にすると、1,000以上前の都の建物は、「この様であったのでは」と思わせてくれます。

 そして、そこからまた何百年、千年とその姿が残り、何百年、千年後かの人々に、「我々が感じている“何か”を感じさせているのではないか」と想像しますと、何かワクワクした感動が湧きあがってくるようです。

 再建された薬師寺の西塔や金堂を担当された、宮大工棟梁 故西岡常一さんも、おそらく再建にあたり、1,000年先のことに想いを馳せて望まれたのではないでしょうか。

 つまり、今回再建された建造物も1,000年後には、まさしく今、我々の前に残されている素晴らしい遺産たちと同じような状態で残され、1,000年先の人々に感動を与えていることを想像されていたのではないでしょうか。

 そして、その時期ごとに、きちんとした修理が成されていけば、現在残されている1,000年以上も前の建造物と同じように、1,000年後も世界遺産級の建物として残されていくことになるでしょう。

 スケールは全く違いますが、私共がしている仕事も、このような想いを少しでも受け継いでいく為に、成されていくものではないかと思います。

 新しい仏壇を製造する時も、お客様のお仏壇を修繕させて頂く時も、たとえ桁が一桁違えども、100年先、200年先のご子孫の方々が、「ご先祖様がこのお仏壇を残してくれてよかった」と、感動されるような仕事を心がけていきたいと思っています。

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