故人と繋がる仏壇

風の電話     

故人と繋がる良い仏壇とは

 「良い仏壇とは、どんな仏壇か?」

 この問いに対する答えは、「良い材料を使っている」、「職人が手作業で仕上げている」等々の答えが、一般的なものかと思います。

 これらの答えは、決して間違いではないですが、この問いの答えは、仏壇に何を求めているかによって変わってくるものだと思います。あえて、この質問に答えるとするならば、「あなたの求めているものを叶えてくれる仏壇があれば、それが良い仏壇ではないでしょうか。」ということになるでしょうか。

 仏壇に向かって、故人に対して語り掛けられる方は多いのではないでしょうか。身近な肉親を亡くした時、「亡くなった肉親と話しがしたい」、「故人と繋がりたい」というような想いに駆られることもあるでしょう。これらの想いは、ごく自然な感情だと思います。

 このことが仏壇に求める条件でしたら、このことを叶えてくれる仏壇があれば、良い仏壇ということになります。

 ただし、「このようなことを、叶えてくれる仏壇はあるのでしょうか?・・・・」

 岩手県大槌町にある「風の電話」という電話をご存知でしょうか。この電話は、佐々木さんという方が、亡くなった「いとこ」と話がしたいため、海の見える自宅の庭に電話BOXを設置し、電話線の繋がっていない黒電話を置いたものです。電話線は風と繋がっているので、「風の電話」ということです。この電話は、当初は佐々木さんが震災前に個人的に設置したものですが、東日本大震災を契機に、一般に開放したようです。

 「風の電話」は、NHKスペシャルでも紹介されました。

 震災犠牲者の遺族が、この電話を利用して、それまで自分の中に硬く押さえ込んできたであろう故人に対する想いを、電話に向かってぶつけていました。また、普段は出さないように我慢してきたであろう悲しみの言葉を、素直に吐露していました。

 死に別れた肉親への想いをどのように整理し、故人との繋がりを今度どのように作っていくかは、それぞれの方が、それぞれの方法で見つけていくことかと思います。「風の電話」は何も答えてはくれませんが、電話口で話をすることで、利用者の心は、きっと軽くなっていることと思います。

 仏壇も、故人との想いに関わってきます。仏壇の解釈はいろいろとありますので、その解釈の一つとして聴いていただきたいのですが、仏壇は浄土を現しています。浄土には仏様がいらっしゃって、その仏様のもとに故人が行き、今は仏様と一緒に安らかに暮らしています。仏壇の中には、そのような情景が表現されています。

 故人は、もうこの世には居ませんが、あの世には居ます。もし、あの世が本当に存在するかどうか分からないとしても、少なくとも、あなたの心の中、記憶の中には故人が居るはずです。あなたの心の中の故人は、あなたにどのような影響を及ぼすでしょうか。あなたは、故人との繋がりを感じることが出来るのでしょうか。

 仏壇の前で手を合わせると、自然と故人への想いが浮かぶことと思います。あくまでも仏壇は、そのきっかけを与えたに過ぎませんが、この時に、故人と想いが繋がったと感じられれば、しかも穏やかな気持ちで感じられれば、それは喜ばしいことではないでしょか。

 そして、このように「故人と繋がることが出来る仏壇」があれば、それはまさしく良い仏壇といえるでしょう。

 それでは、「故人と繋がることが出来る仏壇」は有るのでしょうか。残念ながら、私は、そのような仏壇を知りません。・・・・

 しかし、ここはよく注意して聴いていただきたいのですが、「仏壇の前で、故人との繋がりを感じる人」は、いらっしゃいます。

 もし、仏壇のどこかに、故人を感じることを誘発する何かがあったとしたら、しかも、あなたが特別に感じる何かがあったとしたら、それは、仏壇を通しての、何よりの贈り物のような気がします。

 仏壇を取り扱う者として、このような誘発する何かを持った仏壇を取り扱うことが出来たなら、あなたが特別に感じる何かがある仏壇をご用意することが出来たなら、これ以上の喜びはありません。

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